2005年1月21日金曜日

穴場あらし

〔えいが〕

1971年、大映京都。太田昭和監督。八並映子、川崎あかね、園かおる主演。

大映最末期の1本
イケてる3人娘と彼女たちを追う金持ち息子と警官、これに温泉街のやくざが絡むロードムービー。
と書くと、なんだかすごく楽しそうですが、これがあんまり楽しくないのですよ。
いちおう、全編にベタなギャグをちりばめてバカ映画を目指してはいるものの、なぜか爽快感が足りないんですわ。
お色気も中途半端ですし。
なにより、ギャルのレベルが・・・・(以下自粛)。

いい子、連れてきてよ!

ところで、「温泉街を舞台に、お色気攻勢でがっぽり儲けろ」という展開は、東映の「温泉芸者」シリーズをかなり意識している模様。
東映のシリーズ第1作『温泉あんま芸者』が製作されたさい、「わが社(大映)の作品(『温泉あんま』)がパクられた!」と地団駄踏んだ大映ですから、本来ならば本家本元の意地を見せるべきなのでしょうが、「逆パクリ」と言われるのを恐れたのか、肝心のギャル入浴シーンがない(オヤジが露天風呂に入っている場面はありますけど)という異色(?)の作品に仕上がっていました。

また、劇中に登場する温泉(雄琴、有馬、城崎)のうち、雄琴は別のお風呂でも有名なはずなのに、そのあたりには一切触れていないのも、なんだか解せませんでした。
「まずはそっちで一儲け」とか考えそうなもんですけど。
それとも、まだ別のお風呂で有名になる前だったんでしょうか?

追記:雄琴に別のお風呂第1号店ができたのは、1971年2月6日のこと。この映画の公開が同年10月ですから、すでに盛業中だったようです。

ギャルと温泉街のやくざとの諍いも、なんだか迫力なし。
「ギャルたちが地元やくざの断り無しに非合法ビジネスを始めてぼろ儲け、それに腹を立てたやくざとの間にお色気抗争が勃発!」という正攻法のストーリーの方が、無難だと思うのですが。
それをすると、『温泉ポン引女中』みたいになっちゃうからやっぱり避けたということなのかしらん?

温泉スッポン芸者』よりも早く城崎温泉が出てきたのには「ふーん」とそこそこ感心しましたが、映画の面白さでいったら、やっぱり『温泉スッポン芸者』の方がずっと上ですしねえ。

もっともっとバカになってほしかったです、はい。

(於:日本映画専門チャンネル)

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