2005年3月2日水曜日

チャイナスキャンダル 艶舞 (狂情)

〔えいが〕

1983年、日本(N・C・P)・香港(嘉禾)。小原宏裕・黎大煒監督。新藤恵美、陳惠敏、小田かおる、曾江主演。

1983年に製作された「プレ3級片」的な日港合作映画
日本での配給はにっかつが行いましたが、香港側の資料ではなぜか嘉禾(ゴールデン・ハーベスト)単独製作による香港映画になっています。

ストーリーはというと、香港でデビューした後、本国・日本で大ブレイクを果たし、再び香港に招かれてステージをつとめることになった人気歌手・山崎マリ(新藤恵美たん。北極級にさむい歌とステージが楽しめます)が、悪辣で好色な富豪・趙(曾江〔ケネス・ツァン〕)の罠にはまり、愛欲地獄へ堕ちていく・・・・というもの(かなり大雑把やなあ)で、これに彼女の昔の恋人・チャーリー(陳惠敏〔チャーリー・チャン〕)との「やけぼっくいに火がついた」的な恋愛模様が絡みます。

ま、ようするに、新藤恵美たんの大胆艶技が見せ場の映画なので、せっかくの香港ロケも街頭シーンはほとんどなく、建物内での撮影ばかりなのが残念でおました。
また、内容も、濡れ場中心の構成のため、新藤恵美たんとチャーリーさん(陳惠敏)が昔どんなきっかけで知り合い、どのような関係にあったのか、といった細かい説明が一切なく、2人の台詞のやり取りから想像を膨らませる他なかったので、観ていてかなりわかりにくかったです。
ふつうなら、2人が恋人だった頃の回想シーンでも入れそうなもんなんですが、何しろそういう余計な描写(?)はきれいさっぱり省略されておりました。

途中、新藤さんが催淫剤飲まされて恥ずかしいビデオを撮られるという件が出てきますが、これって、ずっと後の『欲望の街 古惑仔Ⅰ 銅鑼湾の疾風』でも出てきたパターン。
香港人って、この手のネタが好きなんでしょうか?

新藤さんのお相手をつとめるチャーリーさんは、「キネ旬データベース」では「青年実業家」になってますが、全身入れ墨だらけのお身体ではちと無理があると思われたのか、実際には「元チンピラで今はローラースケート界の花形」(何故ローラースケートなんだ!?)になってました。
もう1人のお相手、曾江さん(お尻大公開)は悪役なんだけど、ちょっとスマートすぎます。

新藤さんの妹役の小田かおるたんは、前半ではおつむがちょっと足りない淫乱おバカ娘だったのに、後半では突如、空手二段の「女必殺拳」に変貌、チャーリーさんと2人で悪人退治に精を出します。

初めから、しゃんとしてろや。

香港勢では、他に『ゴルゴ13 九龍の首』で新藤さんと兄妹役を演じていた嘉倫さんが、曾江さんの仲間のスケベ富豪役で顔を見せていました。

最後に素朴な疑問。
新藤さんの濡れ場が売りなら、わざわざ香港ロケをしたり、香港との合作にしなくてもよかったのではないかと思い。
少なくとも、出来上がった作品を観る限りでは、香港が出てくることに何の必然性も感じませんでした(強いて言えば、麻薬?)。
いったいどういうきっかけで合作になったんでしょ?
映画そのものよりも、その過程の方が面白そうだな。

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