2005年8月15日月曜日

たこ、受難

〔えいが〕

まだまだ暑いですね。
今日は静かに過ごしました。

13日に観た映画の感想を、ちょこっとだけ。

『海魔陸を行く』
1950年、ラジオ映画。伊賀山正徳監督。タコ、うつぼ、かえる、蝶々、蛇、蜘蛛、カマキリ夫人主演。

「漁師に生け捕られた蛸が酢ダコにされる直前に蛸壺から脱出し、さまざまな天敵に遭遇しながらも故郷の海を目指すという荒唐無稽な実写映画」(解説より)。徳川夢声が、ナレーションを担当しています。
「逆『およげ!たいやきくん』」みたいな映画ですが、いったい何杯の蛸を犠牲にしたのか心配になるぐらい、様々な責め苦(焼けた地面を歩いて移動、斜面から落下、蛇に襲われる、機関車に轢かれそうになる、等々)を蛸に課しております。
他にも、蜘蛛の犠牲になる蝶、カマキリ夫人に食われるダメ男カマキリ、蛇に丸呑みされるかえるの映像が延々と映し出されて、楽しいけれどかなり悪趣味な仕上がりでおました。
先ほどちょっこし調べてみたら、こちらの原作を書いた今村貞雄にはこんな作品もあるので、ようするに、こういうネタが好きな人なのでしょうね、はい。

『西遊記 鐡扇公主の巻 (鐵扇公主)』
1941年、中国(中聯)。萬籟鳴、萬古蟾監督。

「中国におけるアニメーション映画の創始者・萬兄弟が1941年に製作したアジア初の長篇アニメーション」の、日本語吹替版。徳川夢声が演出を担当。
べらんめえ調でしゃべる江戸っ子孫悟空と、これまた江戸弁を使うド助平猪八戒とのやりとりは、まるで落語。
こういう言葉遣いも今ではほとんど絶滅状態なので、懐かしい言語資料として観てしまいました。
そういえば、CCTVでやってるアニメ観てると、いまだにこれと似たキャラクター造型の絵が出てくるんですが、時代は変わってもデフォルメの仕方はあまり変わらないということなのでしょうか。

(於:フィルムセンター)

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