2006年4月7日金曜日

催命符 (Summons of Death)

〔えいが〕

物好きな方は・・・・。

1967年、香港(邵氏)。羅維監督。唐菁、金霏、王俠、羅維、范麗主演。

メモ程度の感想です。

1966年の松竹映画『神火101 殺しの用心棒』(石井輝男監督。竹脇無我、吉村実子、吉田輝雄、林翠主演)と同じく、香港生まれのヒーロー・猫頭鷹鄧雷が活躍するアクション映画。

謎の大富豪の隠し財宝を巡り、そのありかを示した地図の半分を盗み出した富豪の秘書(王俠)と愛人(范麗)、もう半分を盗み出した盗賊一味との間で抗争が勃発、盗賊一味の中でも仲間割れが起きて次々と犠牲者が出る中、そこへイッチョカミしてきた鄧雷(唐菁)は獄中死した盗賊一味の首領・金(羅維)の妹・茉莉(金霏)と共に隠し財宝のありかを突き止めますが、そこへ・・・・というのが、だいたいのあらすじ。


松竹版で鄧雷を演じたのは竹脇無我で、これははっきり言ってミスキャストでしたけれど、こちらの鄧雷もあんまりイケていません。
やたらと上半身裸になったり下着姿(ランニングにトランクス)になるものの、ややたるんだぼっこりお腹を見せられても、あんまり楽しいものではありませんでしたわ。

お色気部門もいつもの范麗で、新鮮味無し。
むしろヒロインを演じていた金霏に愛人役をやらせた方が、面白かったのではないかと思いました。
金霏はこの映画では意外とおしとやかで、ちょっとがっかり。

『神火~』と本作を比較するのも何なんですけれど、石井監督作品の中ではあまり出来がよくない『神火~』でさえ、これに比べればはるかに見るべきものがあるように思います。
香港仔の水上生活者の群れの中にカメラを持ち込んだり、ふんだんに野外ロケを行っている点が何より魅力的ですし(というか、それが売りの映画だったんだけど)、特に水上生活者の婚礼場面などは、後年の『徳川いれずみ師 責め地獄』における華人の葬送場面を彷彿とさせるものがあります。

ところで、本作の公開は1967年11月。
松竹の『神火~』は日本では1966年の暮れに封切られ、香港でも67年の春頃には公開されていますので、どうやらこの作品も邵逸夫お得意(?)の「あれと同じのが欲しい」企画による後追い映画だったようです。
そうかんたんに「同じ」とはいかなかったようですけれど。

追記:この映画の原作者である方龍驤の別名が『神火101』に原作者としてクレジットされている「盧森葆」です(つまり、同一人物ということね)。

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