2007年6月3日日曜日

珊珊 (Susanna)

〔えいが〕

ゴーマンお嬢様、『青春舞曲』を歌うの図。

1967年、香港(邵氏)。何夢華監督。李菁、張仲文、關山、張燕主演。

すっかり「週一ブログ」と化していますが、ここんとこ本業&私生活の方が立て込んでまして、一段落ついたらもう少し更新の頻度を上げたいと思っております。すんません。

さて。

昨日の鄧麗君ドラマ
せんきち自身はドラマの内容に関しては大した期待もしていなかったので(有田さんの原作自体、台湾の民主化&本土化がテレサに及ぼした影響について全く言及がない点に不満があります)どうということもないのですが、亡くなって10年以上の歳月が流れても未だに日本の人々にこんなにも愛されている台湾の歌手がいたという事実だけでいいのではないかなあと、そう思っておりますです。
しかしながら、中華圏の皆様の見方はそれとは全く別なものでありましょう。
ということで、気になる台湾の視聴者の反応はこちらをご参照下さい。
案の定(?)、「国民党VS民進党」にまで話題はヒートアップしております。

ちなみに、『わたしの家は山の向こう(家在山那邊、我的家在山的那一邊)』を最初に歌ったのは、『2046』で王菲の父親を演じていた王琛
『2046』での王琛の役どころが「ハルピンから逃げてきた元テノール歌手」だったのは、彼の歌手としてのキャリアを踏まえた設定だったのであります。

いよいよ本題。
少し前に観た映画の感想をさくっと。

幼い頃からわがまま放題、やりたい放題で育った超ゴーマンお嬢様(母親の再婚相手の娘〔義理の姉にしてクラスメート〕をイビり倒し、果てはボーイフレンドまで掠奪)が不治の病に侵されてにわかに改心、家族仲よく暮らすように力を尽くしてこの世を去っていくという、

いがみの権太女子高生版

なお話に『紅楼夢』と『最後の一葉』を無理やりぶちこんだ、突っ込みどころ満載の作品でおます。

謎の頭痛に襲われて路上で昏倒したヒロイン・珊珊(李菁)。
が、何とそこはお医者さんの自宅の前。
ちょうど玄関先へ出てきたお医者さんに運良く発見されて手当てを受ける・・・・って、

狙いすましたように倒れるんじゃないよー!

治療の甲斐あって意識を取り戻した珊珊。
「後で父にお金を持ってきてもらいます」とお医者さんに言うと(医療費が高いんだね、香港)、「次の診察までに頭痛の原因を調べておきますので、そのときにまとめて頂きますから、今はいいですよ」と答える親切なお医者さん・張先生なのでありました。

しかーし!

検査の結果、頭痛の原因は脳癌(と台詞では言っていましたが〔脳cancer〕、正確には悪性脳腫瘍のことではないかと思われ)だとわかり、その悲しい検査結果について自分の妻と話していた張先生。
と、そこへ、盗み聞きしてしまった珊珊の姿が!
失意の珊珊は姿を消すのでありました・・・・。

倒れた場所は変ですが、ストーリーの展開としては、まあ、ここまではギリギリ許せなくもありません。

でもね。

張先生ったら、珊珊の家族にその結果を知らせないどころか、治療を受けることをすすめもしないんですよ。

つまり、それっきりほったらかし。
医療費も貰わないまま(慾がないのね)。

その後、珊珊は病気のことを家族にひた隠しにしていましたが(義理の姉だけは敏感に察知するも、鈍すぎる両親は病気に気付かないどころか珊珊に辛く当たる←母親なんか、病気の珊珊に往復ビンタ食らわすんだよん!)、やがて最後のときが訪れます。

母親が出産のため入院していた病院で倒れた珊珊。
家族があわてて医者を呼ぶと、そこへ現われたのはなんと張先生!
「娘の病気は?」と尋ねる家族に対し、

「あなたがたはまだ知らなかったのですか」

と答える張先生。

知るわけねーじゃんよー!!!

お前が放置してたんだから!!!


やがて、珊珊は家族に看取られて静かに息を引き取るのでありました。
ここに至ってついに「マレビト」化してしまった感のある珊珊でしたが、その間、張先生はなんらの医療行為も施さず・・・・(強心剤の投与をしただけ)。

なんなんだこりゃー!!!

でもこれで「アジア映画祭最優秀作品賞」受賞だって。

何やってたんだ、永田雅一?

せんきち的には映画の内容よりも(壮絶劇中劇『紅楼夢』も突っ込みどころ満載なんだけど、ここでは省略。興味のある方は観てね!)、

こんなとこや、

こんなとこ、

はたまた、こんなとこや、

こんなとこ、

といった街頭ロケの方が魅力的でありました。

最後にもう一つ。

以前、拙ブログで本作のカメラを担当した日本人スタッフ(氏名不詳)が李菁を怒らせたという話題を取り上げましたが、実際の作品ではカメラは林國翔の名前になっていました。
となると、李菁が「自分がデブに撮られてる」とお怒りになったその試写はラッシュ上映か何かで、その後直ちに日本人スタッフは首になり、代わりに林國翔がカメラを担当したということのようです。

実生活でもわがままでゴーマンだったのね、李菁。

明るい樂聲牌。

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